皆さんこんにちは!
当農園には僅か1本だけ栽培しているぶどうがあります。
それは「天山」という品種で世界一大きなぶどうといわれています。
こちらが天山になります。
まだまだ小さいですが成長すれば一粒の重さが40g以上になり、ぶどうとは思えない様な大きさとなります。
皆さんご存知の巨峰やピオーネは最大で20g程度。これでも十分大粒の部類に入ります。
天山の重さはその2倍以上ですのでいかに大きなぶどうかお分かり頂けると思います。実際に見て頂ければ、その大きさに驚かれるのではないでしょうか。
糖度も申し分なく、更には皮ごと食べられて種なしです。
素晴らしいぶどうのように思えますが、その割に知名度は高くありません。恐らくご存知ない方が多いのでは?
実はこのぶどう、栽培の難易度が非常に高く、生産者が殆どいないのです。その為、市場に流通する事は極めて稀で幻のぶどうとも言われています。
実際に栽培してみて、商業目的で栽培する事は難しいと感じました。
正直いって無理です(笑)
天山の最大の欠点は裂果を起こしてしまう事です。粒に亀裂が入り、多くが裂けてしまうのです。
木が成長し安定期を迎えれば裂果は多少緩和されるようですが中々そこまで待てないですよね。
それまでお金にならない訳ですから(笑)
その上かすり症と呼ばれる茶色いシミのようなものが出来てしまいます。これが見られると外観を著しく損ねます。
かすり症自体は桃太郎ぶどうやシャインマスカットなど緑色をしたぶどうによく見られるのですが、天山の場合、他の品種に比べその程度が酷く、販売できない状態になることも少なくありません。
かすり症への対策は、房数の抑制、肥料の散布など幾つかあるのですが、天山の場合どれを行なっても効果は感じられませんでした。
この2つ生理障害は粒が成長し、糖度が乗ってくると起こってきます。
糖度が高くない状態では当然出荷できません。しかし糖度が乗るのを待っていると、裂果やかすり症を起こすというジレンマに苦しめられます。
収穫直前になって駄目になってしまうので精神的ショックが大きいです(笑)
また、収穫期間の短さも欠点の一つです。
完熟してから劣化が始まるまでの期間が非常に短く、完熟期を少しでも逃してしまうと、張り、弾力を失い、更には香りも損ねてしまいます。こうなってしまうと、とても販売できる状態ではありません。
因みにですが昨年60程ならせていた房の内、かすり症が見られず、糖度も良好、そんな完品と呼べるようなものは0に近かったです。
インターネットの通販サイトなどで天山が販売されているのを見かけますが、やはりかすり症が見られます(勿論、写真を見る限りですが)。
このぶどうの栽培難易度を考えると仕方のない事だとは思うのですが……
非常に高価なだけに……
難しいところですね。
少し話が変わりますが当農園では小さな直売所を営んでおります(ぶどうのシーズン限定です)。そちらで少数にはなりますが天山も販売させて頂く予定です。
お近くの方は是非いらしてください。
場所や時期については何れこのブログでご紹介させて頂きます。
それでは!