種なしぶどうとジベレリン処理

皆さんこんにちは!

 

種なしぶどうといえば元々種の無い品種、そう思われていませんか?育てていけば自然と種の無いぶどうができあがる。そんなイメージをお持ちの方も多いと思います。

 

しかし、実際は違います!

 

ジベレリンによる処理を行い種を抜いています。何もせずに種の無いぶどうが出来れば簡単で良いのですが(笑)

 

ジベレリンとは植物ホルモンのひとつで、ぶどう栽培において古くから利用されています。種を抜く以外に粒を大きくする効果もあります。

 

因みにジベレリンは日本人研究者によって発見された植物ホルモンです。元々は稲の病気を研究していく過程で発見されたものです。

 

また、ジベレリンにぶどうの種を抜く作用がある事を発見したのもなんと日本人研究者です。

 

昭和30年代に山梨県の試験場でデラウェアの穂軸長くする試験を行なっていた際、偶然にも種が抜けることを発見したのです。

 

これが現在では一般的となった種なしぶどう始まりという訳です。

 

そういえば20世紀最大の発明のひとつとされるペニシリンも偶然発見されたものでしたよね。偶然って凄いですね。

 

とはいえどちらも研究を重ねていたからこそ起きた偶然であり、ある意味必然だったのかも知れませんね。

 

話をジベレリンに戻します(笑)

 

種なしぶどうを作る際には、ジベレリンによる処理を2度行いますのでそれぞれ分けてご説明します。

 

【1度目のジベレリン処理について】

 

1度目のジベレリン処理は種を抜く事と花ぶるいを防ぐ事が目的となります。

 

処理を行うタイミングは花が満開になった日から3日以内です。これを過ぎてしまうと花ぶるいを起こしてしまいます。花ぶるいとは簡単にいえばぶどうの花がボロボロになって落ちてしまう事です。

 

その為、1度目のジベレリン処理では、ジベレリンを溶いたものにフルメットと呼ばれる花ぶるい防止の液剤を加えます。

 

【2度目のジベレリン処理について】

 

2度目は粒を大きくする事を目的として行います。当然ですが花ぶるい防止の為のフルメットは加えません。ジベレリンのみで、濃度に関しては1度目と同じです。

 

こちらの作業は1度目のジベレリン処理を行った日から10〜15日後に行います。

 

具体的なジベレリン処理のやり方としては、ジベレリン(1度目はフルメットも)を容器に溶いて1房ずつ浸していくだけです。

 

f:id:budolog:20200514125913j:image

 

作業自体は簡単に行えるのですが、ぶどうの状態や天候によっては思ったような効果が得られない事もありますので注意が必要です。

 

それでは!